ウインドウファッションデザインコンペティションポスター
厳正なる審査を経て入賞作品が選ばれ、最優秀賞及び優秀賞が決定いたしました。
応募総数196点という多くの応募の中から、プロフェッショナル部門は最優秀賞1点及び優秀賞3点、学生部門では優秀賞が4点選ばれました。

応募総数 196 点
  プロフェッショナル部門 66 点
  学生部門 130 点

受賞者名(敬称略)

 プロフェッショナル部門
  最優秀賞 浦島 茂
  優秀賞 岡部文絵 意生紘子 木村幸子


 学生部門
  優秀賞 桑子あゆみ他 山口尚子
織田昇平 三原史子

また、2003年11月26〜29日に東京ビックサイト開催されるJAPANTEX2003トーソーブースにて、最優秀賞は具現化(制作)・展示され、優秀賞はボード展示されます。

応募作品はプロ部門は全体に見ごたえあるものが多く、学生部門は楽しいアイディアがたくさんあったとの審査員の評でした。  
審査員講評

プロフェッショナル部門

ウインドカーテン やわらかな風を楽しむ
【最優秀賞】

浦島 茂 (一級建築士/千葉県在住)


タイトル
「ウインドカーテン
     やわらかな風を楽しむ」

この作品は、JAPANTEX2003トーソーブースにて、具現化(制作)され展示いたします。


コンセプト
高気密、高断熱の住宅が注目されていますが、日本の気候では通風、 換気も大変重要です。しかし一般の住宅、特に都市部の環境では、窓を開けようとしても外からの視線が気になってカーテンやブラインドを遠慮がちに開けたり、空調機に頼ってしまうこともしばしばです。

やわらかい素材のスラット(横方向の羽)を持つ『ウインドカーテン』は、ベネシアンブラインドの良さとカーテンの手軽さを兼ね備えています。スラットを伸ばすと軽やかなウエーブをもったルーバーになり、外からの視線を気にせずにやわらかな通風がとれます。一般のカーテンと組み合わせて使え、カーテンと同様にたたんでしまうことができます。

従来のロールブラインド、ベネシアンブラインドなどだけでは実現できない、四季に合わせた室礼を可能にする新しい機能的な構成要素として『ウインドカーテン』を提案します。

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◆      ◆      ◆


和の心と機能で 繋ぐ、分ける、内と外
【優秀賞】

岡部文絵 (okb design代表/東京都在住)

タイトル
「和の心と機能で 繋ぐ、分ける、内と外」

コンセプト
四季のある日本では、夏は簾襖や麻布を使った暖簾に掛け変えるなど、季節に合わせたしつらえを楽しんできました。また、美的で機能的な障子や格子はシンプルでナチュラル、モダンなインテリアに良くマッチします。そんな和の心と機能美の中から、網代スクリーンと障子パネルを使った夏の寝室を提案しました。

網代スクリーンは、編むことによって立体的な平面、つまり空気や光が通過できる立体的な表情をもつ平面です。透ける素材では重なる美しさ、透過性のあるものでは外や内からの光を立体的に反射する美しさが、インテリアを多様に演出します。補強棒がないタイプでは簾のように巻き上げることもできますが、今回は襖のように左右に開閉するパネルトラックにしました。レースに当たるのが障子パネルで、白い布や和紙を使えば部屋の奥まで光を拡散させてくれます。経木なら遮光しながら空気だけ通します。障子パネルは建具に近い、和の心をもった窓装飾と言えます。
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H・I・K・A・R・I 煌めく 織物とガラス
【優秀賞】

意生紘子 (ヒロクリエイトワークス/福井県在住)

タイトル
「H・I・K・A・R・I 煌めく 織物とガラス」

コンセプト
住居内の広さとシンプルさを最大限に生かすために手前のリビングルームから奥のダイニングルームにかけて、中庭に面するコーナーサッシ全面と袖壁までをパネルスクリーンとしました。また、ダイニングルーム奥の三つの縦長の窓は、壁に吊るしたタペストリーを生かすよう窓上部の壁内にカーテン上部を収めるようにして、タック入りのプレーンシェードとしました。

道路から離れている部屋ということもあり、中庭に配置した広葉樹を、いつも室内から感じとれるように、厚手のカーテンは使用せず、インテリア性の高さを強調したデザインにしました。また、光のきらめきをいろいろな形で感じてもらいたいと考え、ビーズをインテリアとしてとりいれた新しい提案をしました。カーテンからの光の透過、ビーズにあたる光の輝き、昼と夜との新しい空間の違いを感じて欲しいと思います。

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夕暮れにワイングラスを傾けて
【優秀賞】

木村幸子 (株式会社オカザキ/神奈川県在住)

タイトル
「夕暮れにワイングラスを傾けて」

コンセプト
開放的なリビングから見えるのは緑滴る木々と青い空。 聞こえてくるのは鳥の囀りと葉を揺らす風の囁き。 ここではゆったりとした時間が流れています。夕暮れ時にはキャンドルに火を灯し二人でワインを飲みましょうか…。


シャンプレー効果を狙ったアンティークゴールドのドレパリ‐の上に透明感溢れるオーガンジーを重ねました。白とアンティークゴールドの繊細な織のストライプが大人の時間を彩ります。
三つ並んだ上下窓はデュエットシェードとトップトリートメントで軽やかさを演出し、テラスに通じる掃き出し窓は両開きカーテンでシンプルにまとめました。キッチンに続く二つの開口部のカーテンはワイングラスをイメージしたゴブレット仕様にし、またその打合わせのみを二重にすることで装飾性と機能性をもたせました。それぞれの窓に用いたカーテンバトンは、使い方により様々な表情を魅せてくれることでしょう。窓を開け放ち、風とファブリックのダンスを楽しんでください。

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学生部門
【最優秀賞】

残念ながら、学生部門の最優秀賞は該当がありませんでした。

◆      ◆      ◆

風暦〜光の窓〜
【優秀賞】

桑子あゆみ 
(多摩美術大学 美術学部 生産デザイン学科/埼玉県在住)
*小林理絵・高宮修平との共同作品

タイトル
「風暦〜光の窓〜」

コンセプト
現在日本の一般家庭の窓は暖房や冷房の空気を逃さないために閉め切られ、外の環境から家の中を守るものとして機能しています。しかし私達は窓を外から内を隔てるものとしてではなく、その二つを繋ぐものとして考え、季節によって表情に変化を見せるような素材感を活かしたデザインを目指しました。その際に参考となったのは、従来の日本文化の中で大切にされてきた素材そのままの美しさや、自然の光の取り入れ方の美しさでした。私達が使用したエレメントはどれも独自に考え出されたものであり、既製品ではありません。

さらに塗料や接着剤を一切使わなくても済むようなデザインになっています。 羊毛から作られたフェルトのカーテンは優しく太陽の光を透かし、燻された竹の簾は静謐に、時には揺らめきながらシルエットを浮かび上がらせます。時には窓を開け放って波打つカーテンの美しさと、風の匂いを感じてみるのも良いのではないでしょうか。
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和 彩
【優秀賞】

山口尚子 
(ICSカレッジオブアーツ インテリアデコレーター科/神奈川県在住)

タイトル
「和 彩」

コンセプト
窓から入る光、風。日によって、季節によって変るこの国の季候が映える窓には和の彩(色)で飾るのが一番馴染むと思う。昔、雅な色が溢れていた頃、貴族は壁代という絹の布で外と内を仕切っていた。今日、様々なカーテンやブラインドが窓を飾っています。

しかし、今も昔もこの国の光や風は変らないのだから、昔の美を今に似合った形に変えて提案したい。昔は着物や布を用いていました。今回私はその着物の元である糸を使った。
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バリエーションのあるカーテン
【優秀賞】

織田昇平 
(大阪デザイナー専門学校 インテリアデザイン科/大阪府在住)

タイトル
「バリエーションのあるカーテン」

コンセプト
窓装飾を美しく魅力あるものに見せる上、自然の美しさを保った物を人が手を加えて好みに合わせられるものは無いかと考え、窓装飾で窓を完全に塞いだ状態でも何らかの形で光が空間に入る、という所に着眼点を置きデザインした。

窓装飾に穴を開けることにより光は空間に入り、その穴から入る光は変化し窓装飾の影という模様を空間に映し出す。影は日の当たり方(時間・季節・天候など)で変化し、毎日違った表情を見せてユーザーを楽しませてくれる。この窓装飾なら光の入り方、影の出来き方を楽しめ、ロールスクリーンの穴・色・生地にバリエーションを加えた物同士を組み合わせれば、窓装飾のコラボレーションと微妙な光の変化を自分の手で変化させる事を楽しめるように工夫した。

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七変化
【優秀賞】

三原史子
(中央実務専門学校 インテリア設計科/大阪府在住)

タイトル
「七変化」

コンセプト
ウインドウトリートメントというのは、窓を隠したり、外からの視線を遮ったりする目的だけで使用されるものではなく、もっと季節や時間、使用する人の気分によって変化するものだと思い、この作品を考えました。

特徴としての一つ目は、一枚のマイラー紙でできていて、上下に移動、伸縮するということです。 窓全体を覆うこともでき、また必要でないときは、床から天井まで固定した筒により、縮ませて好きな位置で止めたり、広げて移動っさせタペストリーのように使用したりできます。二つ目は、筒の中に入っている蛍光灯です。マイラー紙を筒に交互に波のように差し込んでいるので、夜など明かりをつけたときに立体感ができて存在感のあるインテリアの一部になると思います。ウインドウトリートメントとしてもインテリアとしても機能を果たし、使う人によって様々に変形することから「七変化」というタイトルをつけました。
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◆審査員講評

審査委員長 木村 戦太郎
        (文化女子大学 教授/社団法人日本インテリアデザイナー協会 理事長)


 今回のコンペでは、ウィンドウトリートメントを単なる窓装飾ではなく、窓本来の機能に添った上で、この地に吹く風に馴染むものであって欲しいと考えました。蓋を開けてみると応募作品には主旨に沿った提案が多く、一つ一つを読み解くのは楽しい作業でした。

プロフェッショナル部門は流石に手堅い提案、パネルもわかり易く美しいものが多く、見応えがありました。浦島茂氏の「ウインドカーテン」は、べネシャンブラインドとカーテンの機能・フォルムを併せ持ち、新領域を開く可能性を感じさせます。コンペの主旨にも添うもので、最優秀賞に相応しい作品でした。岡部文絵氏、意生紘子氏、木村幸子氏のコンペ主旨との関係性により優秀賞としました。

 学生部門には若者らしい様々なアイディアが多数寄せられ、審査しながら大いに刺激を受けました。しかし、窓装飾とはとても思えない提案や、発想は面白いものの使い方が至難なアイディアなど、一歩詰めの甘い提案が多いと感じました。やはりデザイナーは提案をリアルに想像する能力を身に付けなければなりません。たとえ荒削りでも、フォルム・素材・加工法、採用する機構などが調和していなければ実現は難しいでしょう。

 グループ応募の桑子あゆみ氏、また山口尚子氏、織田昇平氏、三原史子氏それぞれにアイディアがユニークでしたが実現した場合を想像するとディテールなどに問題が多く、最優秀賞は無理と判断し4点を優秀賞としました。若者達の今後の頑張りに期待しています。

審査委員 栗山 正也
       (KDアトリエ 代表/日本インテリアプランナー協会協議会 常務理事)

 “ウインドウファッションデザイン”は誰もが生活の中で身近に接し、いつもなにかを感じている対象です。そこに望まれるものは、驚くような奇抜なアイデアというより、自然の光りや風と人々が触れ合う場の心地よさや優しさなどをこまやかな気遣いで“容”に表すことだと思えます。審査当日はそのような作品に出会えることを期待して臨みました。さて、応募作品ですがプロ部門は実務経験から得た高い知性と感性に裏打ちされた確かな作品が数多く見られました。

 一方、学生部門では既存の枠にとらわれない自由な発想の意欲的な作品が目立ち、プロと学生のそれぞれの部門に特色が表れて期待に応えてくれました。まず、プロの最優秀賞“ウインドカーテン”はまさに自然と人との接点をこまやかな心遣いでデザインされた造形で、自身による試作でそれを確かめている努力も高く評価されます。他の入賞3作品もそれぞれウインドウトリートメントが空間造りに重要な役割を果たしていることを十分に実証している作品として優れていると思います。

 学生部門の入賞作品はそれぞれ発想の新鮮さは評価できますが、実現性については未だしの感があり、残念ながら最優秀賞には到りませんでした。これらもモックアップなどで探求を進めれば新たな路が開けると思います。次を期待します。1回目のコンペは予想以上の内容で十分期待に応えてくれました。
日々接する“窓の表情”が益々楽しく豊かになっていくように、今後もこのコンペに期待したいと思います。

審査委員 村上 英子
       (三井デザインテック株式会社 顧問/インテリアコーディネーター東京 会長)

 
コンペの目的を理解し、新しい創作を試みた作品が数多く出品されました。プロフェッショナル部門では、日本の風土や現代の建築に合った創作性やデザイン性、そして施工の完成度などが評価されました。
最優秀賞に輝いた浦島茂氏の作品は新しい光や風のとり入れ方を高く評価しました。エレガントなウェーブの中に現代的なシャープさを持った作品ですが、製品化をするには数多くの解決せねばならない点があります。

 優秀賞・岡部文絵氏の作品は新しい光を風の透過を試みています。素材の選択に解決のポイントがありそうです。優秀賞・意生紘子氏の作品は吊り方にガラスのきらめきを入れた施工面の新しい試みを評価しました。優秀賞・木村幸子氏の作品は、室内とのコーディネート、布の選択、デザイン、施工とも完成度の高さを評価しました。

 学生部門は残念ながら最優秀賞はありませんが、若い方々が今から窓、光、風、日本の四季など色々に挑戦する姿勢を評価しました。学生らしいアイディアは面白いが、今一歩実現性にやや問題があった。学生らしい自由な発想を評価し、今後の研鑚を期待いたします。


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