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特集バックナンバー

特集 インテリア文化の発展に向けた取り組み

 当社は1949年の設立以来、カーテンレール国内シェアNo.1を維持し続けており、現在では約50%を占めています(当社調べ)。これは、窓周り製品の開発・製造・販売を通じて過去から受け継がれている「快適な住空間の創造」を目指したさまざまな活動に支えられています。戦後、建物の洋風化が急速に進むなか、カーテンレールの普及、啓蒙活動に尽力してきただけでなく、プロ向けのカーテンスタイルの提案や縫製方法を解説した書籍を発行するなど、業界全体の活性化に取り組んできました。また、日本のインテリア文化に貢献しようとの強い思いから、一般消費者向けのインテリア雑誌なども発刊してきました。これら日本のインテリアの黎明期の活動が現在の「提案型企業」の基盤となっています。これからも、ライフスタイルの変化や多様化するニーズを的確に捉えながら、窓周り製品の開発・製造・販売を通じてお客様一人ひとりの住生活をより魅力的なものにしていきたいと考えています。

カーテンレールの普及活動

画期的なカーテンレールの提案

 設立当初は、第2次世界大戦敗戦後の日本が好景気への道を一目散に走り始めた頃であり、家庭電化時代の到来とともにインテリア業界でも椅子やテーブルの普及など、生活の洋風化が進みました。カーテンも例外ではなく家庭への需要は急速に進んだものの、当時のカーテンレールは取り付け金具もさまざまで、取り付け方法も統一されていませんでした。そのような状況のなか、当社は1951年に、「C型カーテンレール」を開発し、画期的なカーテンレールとして官公庁へ提案しました。また、全国の建設業者や設計事務所、室内装飾・金物業者、百貨店などを約2年半かけて全国行脚することで、カーテンレールの普及活動をおこないました。この「C型カーテンレール」は、当社のカーテンレールの原点といっても過言ではなく、現在でも学校や集合住宅などで幅広く使用されています。

各種見本市への出展

 また、カーテンレールを世に知らしめるため、各種見本市や展示会へ積極的に出展しました。日本でも国際的な見本市の開催が増加するなか、東京と大阪で交互におこなわれていた国際金物見本市へ1956年より出展して製品PRをおこなったり、1958年に開催された日本建築材料展に参加し、建築家や建材店へ向けてセミナーを開催するなど、精力的に活動を続けました。さらに、設立20周年を迎えた1969年には「世界のカーテン・カーテンレール展」を全国8都市で開催しました。これは、当時、日本のカーテンやカーテンレールは機能のみが求められていた時代であり、当社が新製品の開発を目的として集めた装飾性の高い欧米のカーテンやカーテンレールの展示事例や縫製加工などの情報を全国に紹介することで、業界全体の意識改革を進めるとともに、インテリアとしてのカーテンレールやカーテン用品の需要を喚起する狙いもありました。この展示会は業界団体の後援や国内外のカーテン企業12社の協賛のもと、業界の一大イベントとして大きな反響を呼び、来場者は全国で1万人を超えるものとなりました。
 1981年には、ドイツのフランクフルトで毎年開催されている世界最大の室内装飾織物見本市「ハイムテキスタイル展」に、アジアの単独企業として初めて出展しました。こちらも、ヨーロッパの企業を中心に出展希望が殺到するなか、3年越しのアプローチが認められての出展となり、その活動は大いに注目を集めました。
 現在も、日本最大のインテリアイベント「JAPANTEX」へ出展しているほか、「トーソーウインドウファッションフェア」と称して当社独自の新製品発表会を全国で開催するなど、展示会や見本市は当社の製品PRの重要な場と位置づけて積極的な活動を続けています。

インテリア業界のトレンド情報発信

出版物による情報提供

 当社はインテリア業界および一般向けの出版物にも過去から力を入れてきました。1960~1970年代のインテリア業界は、建物や生活の洋風化が急速に進み、機能性から装飾性を重視するカーテンレールやカーテン用品への転換期でしたが、当時、海外視察はもとより、海外の参考文献の入手も極めて困難な時代でした。そのようななか、「世界のカーテン・カーテンレール展」で発信した情報を中心に、インテリアとカラーの基礎知識や窓の多様な演出などを取り上げ、特に室内装飾のカラーコーディネートとオーダーカーテンの縫製加工についての専門書『窓とカーテン』を出版したことはごく自然なことでした。それ以降も、当社はインテリア関連の出版活動を続けていましたが、企業のイメージアップとインテリア市場の活性化を目的として、インテリア・建築関連の定期刊行物や書籍などを出版・販売するトーソー出版株式会社を1973年に設立しました。同社はさまざまな活動をおこなってきましたが、設立直後に話題を集めたのはアメリカのインテリア家庭誌『1,001 DECORATING IDEAS』の日本語版の出版でした。同誌は当時、アメリカで毎号100万部以上の発行部数を誇る人気雑誌で、これを日本向けに編集してインテリアショップなどで販売することで来客の誘致に大きな役割を果たしました。現在、出版事業は営業本部に引き継がれ、その当時より培ったノウハウは当社の情報発信の一つとして、世界のインテリア情報発信ブックとして業界関係者に人気の高い『インテリアトレンドビジョン』などに受け継がれています。

インテリア研究会、カーテンメーカーとの協同新作発表会を開催

 1980年代には、インテリア専門店の経営者や営業マン、縫製技術者、インテリアコーディネーターなどを対象に、全国でインテリア研究会を開催しました。特に1986年に全国50都市で開催した第3回目となる研究会では、当時目新しかった上下に操作するカーテン「ローマンシェード」を取り上げ、会場で採寸、裁断、縫製の実演などをおこないました。ほとんどが初体験となる参加者に対し、この研究会はカーテンレールにこだわらず、常にカーテンスタイルを提案し続けてきた当社ならではの活動として大きなインパクトを与えました。これが契機となり、「ローマンシェード」の需要は急速に拡大し、今日に至っています。
 現在、こういった活動は、カーテンスタイルを主役として当社がカーテンメーカーの新作発表の場を提供しているイベント「with Curtains」に姿を変え、業界関係者から高い評価をいただいています。


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