

厳正な審査を経て入賞作品が選ばれ、最優秀賞及び優秀賞の作品が決定いたしましたので、ここに発表致します。
応募総数1588点(プロ部門158点、学生部門120点、一般部門1310点)
森澄子 様 (愛知県/株式会社インテリアネットワークス)
「Fabric Jewelry -結婚25周年のアニバーサリー リニューアル-」
天井高のある大きな空間
階段から渡り廊下の下にある、横長の窓をドラマチックに演出工夫した。2階の壁を取込み1階へと繋げ、ファブリックでスケール感を出した。
バーチカルのルーバーをファブリックでアレンジ。オリジナリティを出し、機能と装飾のコラボを試みた。
ファブリックの輝きが宝石の様にバーチカルブラインドを着飾る光を纏い陰影が、窓辺に繊細な表情を創り出す。色の変化するブラウンのオーガンジーでニュアンスを加える。チンツ加工を施した艶やかな光沢のあるサテン生地が柔らかな美しい曲線と、銀細工の様なダマスク柄のレースが、空間をドラマチックに演出する。
ワイヤーを黒のサテン地で包み、円を描くオリジナルタイバックでより演出効果を高めた。クッションはアクセントカラーとし、ジュエリータイバックで華やかさをプラスした。
朝の透明な光 昼間の輝き 夜のきらめき 時の流れをゆったりと、美しい空間が刻み続ける。
西垣ヒデキ&SHIO 様 (大阪府/decorators)
「エスニック IN エレモダ」
不均衡とハーモニー エレガンス+モダン+エスニック
40代夫妻のベッドルームを、モダンベッドに合わせて仕上げつつ、その無機質感に邪魔にならないぎりぎりまでのオリジナリティーという温かみとやわらかさを加えていきました。
レースは素材をそろえながらプリティーエレガンスとストライプモダンの左右非対称とし、ドレープはモダンなタフタ生地にヘムを付けややエレガンスに引っ張りました。
3箇所続く上下窓は素材感をそろえながらダブルシェードに仕上げました。
ただし、後幕のレースの色は赤をさし、やや冷たくなりがちの部屋に温かみとアクセントをつけました。この赤はウォークインクローゼットのグラデーションに貼った壁のワインカラーに連動します。
前幕のドレープのすそには掃き出しのカーテンと同じ色あわせでイエローを胴接ぎし、その下に今年流行の獣系シャギートリムをつけました。
掃き出しの窓にだけスパイスとしてなんちゃってバランスをつけました。
モロッコのスーク(市場)で見た、道端で人々が座してロープを編んで作っていたマットやカゴのイメージで、黒いロープをホームセンターで買ってきて、サークル状にいくつも作り、不均等なサイズで透明なアクリル板の上に並べ、空中に浮いた感じに見えるように取り付けました。このプリミティブ(原始的)な感じがエレガントとモダンとをうまく融合してくれたと思います。
残りのロープは捨てることなく、バランスの要領で不均等なサークルをいくつも作り、つなげてラグをつくり、ベッドのサイドに置いたり、レースのすそにつけました。
最後に天井のクロスを全体を落ち着かせるために白からグレーに、床はオフホワイトのジュータン張りに変えて、ドレープ地の色違いでスローを作りました。
【エレメントリスト】
ドレープ:フジエテキスタイル社 FA2061
レース:クリェーションバウマン社 sinfonia cs
バランス・ラグ:自作 工業用ロープ ホームセンターにて購入
タッセル:アムステルダムにて購入
ベッド:モルティーニ社 ウルキオラ クリップベッド
スロー:フジエテキスタル社&NEED’K
時計:ドメニコーニ社 ムラーノガラス製
ランプ:アンティーク
レール:TOSO ネクスティ
平田駿 様 (東京都/フリーランス)
「waving curtain」
カーテンが自由な空間を創作する事
カーテンが風に揺れた時、フワリと舞い上がり、そこには空間が生まれる。
そして、風が止めば、カーテンは静かにまっすぐに戻る。
そんな瞬間にカーテンが布である事を認識する。つまり、今日に使われているカーテンは窓際という変化が多い環境に対してのフィルターとしての機能である。
今回の提案では、カーテンを機能を超えた空間を作る装置にする事である。
カーテンが空間を作れるようになると、窓辺の使い方、過ごし方も変わるはずだと考える。また、空間を作るカーテンは形を持ち、その形によって、室内に入り込む光が変化したり、風の入り方、抜け方も今までとは違ったモノになる。
空間を持つ事で、人との関係も深くなる。そんなカーテン。
【操作】
・カーテンを長くする
長さを伸ばすことで、空間を作った時にも地面とカーテンが接することで、あくまでカーテンが空間を生み出しているような作り方をする。
・カーテンに針金を入れる
針金は元々カーテンが地面と接していた部分までの長さで入れます。
これは普段、カーテンを曲げずに使用する場合や空間にしたときに下部に既存のカーテンのなびく動きを残すためです。
【効果】
・カーテンが空間を生み出す
この提案の柔らかいカーテンは外と内を緩やかにつなぎ、光や空気を中に通すという既存の機能は果たしながらも、様々な使われ方をされる空間を作ります。
縁側空間を再生する事もあれば、ベランダにカーテンが張り出し、違う種類の半外部空間を生み出せることもできます。
【空気の層のレイヤー】
カーテンが新しい空気の層のレイヤーを増やします。外部にも内部にも自由に動かせるカーテンは窓と組み合わさる事で、幾通りかの層のパターンを生み出し、外部や内部の環境をコントロールする手助けもします。
小川達也 様 (東京都/株式会社16アーキテクツ)
「fabric space」
金属製品をあつかう商社のオフィス内装計画
ミーティングや来客の待合空間、社員の休憩やランチに利用できるコミュニケーションスペースの機能と、更衣室や作業ブース、備品のストックや保管書類の収蔵などバックヤード機能の相反する二つの機能が求められた。
「壁面全体を覆う柔らかな白いレースカーテンと象徴的で存在感のあるステンレス製カーテン」この空間は2種類のファブリックによって構成される。
窓辺から入る光によって、壁一面に置かれた収蔵庫の柔らかなシルエットが白いレースカーテンに浮かび上がる。
自由度の高い利用が想定されるコミュニケーションスペースは、しなやかなステンレス製のカーテンによって自由に分割できる。
ふたつのファブリックはさまざまなものを隠しつつも、視線や光を柔らかに透過することで、広がりと開放感のある空間を構成する。
【エレメントリスト】
レースカーテン:CK−146(サンゲツ)
ステンレスカーテン:Archi fabric(太陽金網)
カーテンレール:ウィンピア(トーソー)
カーテンレール:中型(トーソー)
木村幸子 様 (東京都/ファブリックマジック)
「スワッグ&プリーツの調べ」
眼下に愛宕神社の緑を望む、都心にある高層マンションの一室。
リビング正面に位置する2面窓の一つには角度が付いていて、黒い大理石の床とともに硬質な印象を与えていました。
施主の要望は、夫婦の暮らしにあうエレガントな空間に替えてほしいというもの。
そこで、変形の折上げ天井にロカイユのデザインが印象的なモールディングを取付け、細かいプリーツをたたんだストレートバランスと、ドレープの上にシアーを重ねたオープンスワッグを窓廻りに施しました。
ストレートバランスの前後にスワッグを絡ませて動きをだすことにより、部屋に広がりを持たせています。
さらに、透明感とグレード感を加えるためにクリスタルタイバックを装飾として用いました。タイバックはストレートバランスと同じプリーツをたたんだデザインです。
窓辺のいすで本を読んだり、お茶を飲んだりお二人だけの静かな時間を楽しまれているご様子です。
【エレメントリスト】
ロレーヌ807/ガルバルディ100/OOLUSTROUS
トリムBTA/SWTR ring GOLD/
フサカケ SWHA GOLD/ニューバランスレール
西垣ヒデキ&SHIO 様 (大阪府/decorators)
「アンシンメトリーという選択」
マンションの高層階の30代シングル女性のベッドルーム
お客様は趣味で競技自転車で世界を回るくらいのスポーツウーマンでバンカーエレガントとスポーティーを絡めて、誰もしないコーディネートを心がけました。
左右に同じサイズの窓があるのですが照明の位置のためベッドの位置は2つの窓のセンターをずれるので、あえて、いろんな意味で「そろえる」という定石ははずしました。
まずドレープは異なった2つのデザインで1窓を覆いました。ホワイトの麻地にシャンパンゴールドで蝶をプリントしたエレガンス系生地とスポーティーなコットンの太いストライプで1窓とし、その上にイエローやホワイトと相性のいい黒いボタニカル柄のプリントのオーガンジーレースを重ねました。
レースの柄と後につられたドレープの柄が重なり遠近感が出せました。
もちろん2窓のカーテンは同じ生地同士を合わせて吊りかえる事もレースとドレープの位置を吊りかえることも自由に出来るので、気分や季節によってアレンジできるようにフラットスタイルにしサイズをそろえました。
また、ベッドを広い部屋のセンターに置いた場合に出来る空虚感をなくすため、ベッドヘッドの上に吊るしました。シェードの片サイドにはアクセントカラーとして情熱の赤を合わせました。
色・テクスチャー・素材感・デザインをそろえなかったのですが自分なりの旋律で並べました。
【エレメントリスト】
ドレープ:クリェーションバウマン, lorian
レース:rioma shadow
シェード:クリェーションバウマン, lorian, Kajisin caleido
厚地佳代子 様 (福岡県/Tissu株式会社)
「 1年生になったら 」
2008年春、1年生になるお嬢様のお部屋をお友達といっしょに遊べて楽しい雰囲気にしたいという、お母様のお気持ちで「花びらが舞う窓」が生まれました。ドレープは、コットン100%のイギリスからお取り寄せのギンガムチェックと鳥・お花柄の生地。ビーズを加えて、さらに華やかになりました。レースも、イギリス製の透け感のある可愛らしい柄です。
楽しく遊ぶ声が聞こえてきそうですね。
【エレメントリスト】
ドレープ:(イギリス)ハーレクイン Tropical Heaven 3212 Lollipop 6061(イギリス)British Trimmings 98367
レース:(イギリス)ハーレクイン Little Gems voile
レール:TOSO ウッディ28 ホワイトウッド
プレーンシェード:メカ、加工 TOSO マイメード
落合守征・川村道人 様 (東京都/TWOPLUS-A建築設計事務所)
「GREEN/FOG HOUSE」
窓からの光で空間全体の様相を変化させていくこと。
窓を包み込む光の箱[緑/霧]=窓装飾とし、そこから放たれる光で住空間が満たされる。窓からの光を吸収するような、柔らかな光に包まれた場が広がる。一日の中で刻々と変化する光の向きや強さを、光の箱[緑/霧]で変換し、室内全体の様相を変えていく。
遠景から近景へとスケール変化する森のグラフィック(身体が拡大・縮小する感覚が得られる)がプリントされた壁から漏れる光は、艶やかに仕上げた室内で反射を繰り返し、霧のような状態を生む。様々なスケールの森の像が室内のいたるところに写し出され、移動するごとに身体のスケール感が変化し、周囲の空気に心と身体が柔らかく解放されていくような心地よさを生み出す。
時間、場所により窓辺の緑の濃度は変化し、うつろいゆく時間の中で生活が展開していく。
【エレメントリスト】
ポリカーボネイトシート(UVインクジェットプリント)/タキロンPC1600)
服部朝子 様 (東京都/Lasen)
「紙縒りシェードのある空間」
雨が窓に垂れる雫のように 自然な「たまり」と「ひき」のある和紙糸。
3年の歳月をかけて手作業のような不均一な紙縒り糸の量産に成功した素材である。
「・・・美しい和紙糸ができた」
その感動をそのままに 糸が主役のシェードを制作。
和紙糸は光を優しく透かし 穏やかに風に揺れ 映る影さえも空間に印象を与える。
向こう側が見えそうで見えない糸のシェードは 内と外を曖昧にする。
和紙の利点を生かしながらも現代的な軽やかさの加わった窓装飾に仕上がった。
神山義浩 様 (長野県/信州大学大学院 建築学専攻 修士2年)
「風見羽」
従来のブラインドは光を遮ったり、通すことによる簡易・利便性に長けていたが、風を取込むことには適していなかった。そこで、従来のブラインドの機能を備えつつ、緩やかで見ていて心地よい風を取り込んでくれるブラインドを提案する。
天野里美 様 (東京都/首都大学 東京システムデザイン学部インダストリアルアートコース)
「Xtile」
Xの形のユニットが、布と布をつなぐ。
布の「cloth」とユニ
ットの形である「X(クロス)」を、まるでタイルのように並べる。
自由なそれはまるで、テキスタイルのようでもある。だけどそこにはタイルにはない、柔らかさがある。
光がある。ドレープがある。
Xtile−エクスタイル−
それは、触ってつくる、インタラクティブな窓辺。
薄井麻智 様 (千葉県/千葉大学大学院 工学研究科 建築−都市科学専攻)
「窓辺のプリーツ」
子供のころ、カーテンにくるまったことはありませんか?
それをそのまま空間にできたら。
紙でできたプリーツは、窓辺の空間をゆったりと包みます。
昼は太陽の光を柔らかく内部へ。
夜は中の明かりを灯ろうのように外に漏らします。
自分で好きな空間をつくり、使わなくなったらリサイクル。
丸尾直子 様 (兵庫県/大阪モード学園 インテリア学科)
「Round」
様々な形に変化するおもしろくて新しいブラインド。
縦型のブラインドで、上から見るとS字になっている。
軸を中心に、角度を調節することができる。
全て閉じるとなみなみの表面に。
室内におもしろい動きをつくりだす。
また、全て閉じた状態からさらに軸を中心に水平にスライド。
そうすると、S字の半円同士が集まり、シンプルな円柱に。
その間からは、ほどよい光と影が。
光と影の形を様々に変化させる。
「レースペーパーのカーテン」八木尚子 様
レースペーパーでカーテンを作りました。紙でできたカーテンです。夕焼けに染まる時間。しゃぼん玉のような泡のような消えてしまいそうなはかなさも。。。
素材にこだわらず窓を楽しみたいと思っています。レースペーパーの持つ繊細さ、光を透過する瞬間窓辺が輝きだしとっても印象的になりました。
綾公敏 様
山荘の窓辺です。スパニッシュチェアに座って、広い窓からみる森の景色は最高ですよ
北森幸子 様
朝の光が、とても気持ちの良いダイニングテーブルのお気に入りの窓デス。カーテンは、素朴にフレンチカントリー風で、微妙なこだわりは黒いリボンで結んでいるところです。我が家の、季節の額縁(窓)です。
水野景 様
この部屋を見つけたとき、夫と一緒にこの窓にひとめぼれしました。狭くて古くて希望に沿わないこともたくさんある部屋ですが、この窓からの景色を毎日眺められるならと決めました。このテーブルと椅子は実家の母からのプレゼントで、中古家具屋さんを何軒も回って探した宝物です。
全体講評:
各部門の開催主旨が明快であったためか、プロ、学生、一般、それぞれの違いがはっきり見える結果が出た。特にプロ作品は、窓のファッション性を高めるというテーマに沿い、優れたテクニックに基づいたファッショナブルかつ機能的なデザインが多かったのが嬉しい。一般応募数の多さは、ウィンドウトリートメントの将来性を示す証と感じるが、それに反し、学生の応募数が減少し、若い独創性にあふれた提案が少なかったのは残念である。教える側の奮起も期待したい。
全体講評:
今回、このコンペティションの審査に初めて参加しましたが、全体の作品を通して感じたことは、室内空間における窓辺のデザインの重要性でした。
外部の光の入り方を調整したり遮断したりするような機能面も大切ですが、思い切った演出をすることで部屋のイメージもどんどん変わっていきます。
上位入賞を果たした作品は、いろいろな角度からウィンドウトリートメントの可能性を示していました。
私が審査をするにあたって基準として考えたのが、コンセプトが明解であるかという事、機能性と装飾性のバランスの良さ、独創性、そして、それが人に対してどういう影響を与えるかが考えられているかという事でした。
入賞作品は、どれもがこれらの要素を含み、いろいろなメッセージを我々に与えてくれるものであると感じました。