プロジェクトストーリー

カーテンレールの未来と可能性をカタチに
  • 佐藤 健志
    営業本部 営業企画室マーケティング課 課長

    2003年入社。5年間の札幌支店勤務を経て現職へ。
    慣習にとらわれず、常に新たな観点で仕事に取り組むことをモットーとする。

  • 張替 寛司
    商品開発本部 商品設計室一課

    2006年の入社以来、カーテンレールの設計に従事している。
    カーテンとの調和を意識しながら設計するということを旨としている。

  • 橋本 いつか
    商品開発本部 商品開発室一課

    2006年入社。当初から商品開発に従事し、以前はフックやタッセルなどカーテンアクセサリーを担当。
    女性目線を活かした開発を心掛ける。

新しい価値を創造する
TOPメーカーとしての誇りが原動力に

消費者のライフスタイルの変化に伴い、住宅のインテリアに対するニーズも、よりスタイリッシュなモノへと移行している。そんな時代の変化を敏感にキャッチした橋本は、市場に対して新たなインパクトを与えることができるカーテンレールを提案できないものだろうかと考えていた。それは、常に新しい価値を創造していかなければならない国内トップメーカーの開発担当者としての使命なのだと感じていた。そう思い立った橋本は早速、行動を開始した。「様々な住宅展示場を回ったり、海外製品のトレンドなどをリサーチしながらモックアップを用意しました。もちろん、この時点ではあくまでイメージ先行で、実際にそれがカタチになるのかどうかまで踏み込んではいませんでした」。
設計を担当する張替は、その話を初めて聞いたときに、カーテンレールに求められる走行性や静音、実際に取り付けるための施工性などといった機能を担保しながら、橋本が求めるデザイン性を実現するのは難しいと感じていたという。「開発部門から受けた要求項目は多岐に渡っていました。 例えば“壁と一体化させたい”“溝幅を狭くしたい”“取り付け金具を外から見えなくしたい”など。今までのノウハウだけでは実現できず、新しい技術へのチャレンジが必要になります」。
佐藤が所属する営業部門においては疑問の声すら上がっていたという。「一部のメンバーからは、『本当に市場に評価されるのか?』と危ぶまれる声があがっていたのは確かです。デザインにこだわりすぎて、私たちのお客様である施工業者の方々から敬遠されてしまっては意味がありませんから」。
それでも橋本は諦めるわけにはいかなかった。「技術的な課題をクリアしながら、デザインを両立させるのは非常にハードルが高く、頭を悩ませていました」。

若手社員が活躍できる、
自由な企業風土の中から生まれた

橋本と同期である張替は、なんとかして彼女の要求に応えたいと思っていた。それは、この商品の意義を理解していたと同時に、張替の技術者としての意地でもあった。「とにかく、限られたスペースの中で最大限、何ができるのかを考えていきました。開発部門との綿密な打ち合わせはもちろん、設計メンバー同士でも意見を交換しながらブラッシュアップし、何度も試作品を作って検討を重ねていきました。さらに営業部門を通じて、実際に施工する立場の方の意見も吸い上げ、製造部門と調整しながら、量産を視野に入れた改善を加えていったのです」。
そして2013年6月、これまでにない画期的なフォルムのカーテンレール「フィットアーキ」が誕生した。「インテリアコーディネーターや設計士の方々を中心に大きな反響を呼びました。私たち営業部門としても、展示会でメインに据え、動画を作成してプロジェクターに投影したり、iPad用のアプリケーションを用意したりと、これまで以上に熱がこもったプロモートを展開。このような新製品を市場に浸透させるためには、地道な営業活動を続けることが大切です。今回の製品では、モノづくりから販売まで一貫したプロモートができたと感じています」と佐藤は言う。
橋本は「他社にないものを業界に先駆けて作り、市場に投入できた意義は大きいと思っています。開発部門が考えた企画を実際に具現化するのは、設計や製造部門の人たちですから、この案件を通じ改めて彼らの卓越した力量を実感しました」と、設計を担当した張替は「カーテンレールには様々な加工技術が必要。フィットアーキはまさに当社の技術の粋といえます」とそれぞれに語る。
「若い担当者が自由にモノを作って販売していける、そんな風土が根付いている会社だからこそ、実現できた」と口を揃える橋本、張替、佐藤の3人。若手社員の情熱がトーソーの財産だ。