カーテンのカビ取りの方法とは?漂白剤の選び方やカビの予防方法を徹底解説

まどかけの話

なぜ?カーテンにカビが発生する原因とは

 

カーテンにカビが発生する主な原因は「結露」です。結露は外気との温度差により室内の窓ガラスや壁に発生し、その水滴をカーテンが吸収することでカビの原因となります。カビの発生原因は、結露以外にも次の要因が挙げられます。

 

  • 部屋の湿度が高い
  • カビが好む温度(20~30℃)
  • ほこり・皮脂汚れ・汗などのカビの栄養源

 

梅雨はカビが好む20~30℃の間を推移し、湿度も高い気候が続きます。結果、結露が発生しやすくなり、カーテンはカビの格好の繁殖場所に。また、カーテンに付着したほこりや人の皮脂汚れ、汗などはカビの栄養源となり、さらなる増殖を促します。

 

カーテンのカビを防ぐには、結露の防止・適切な換気・定期的な清掃が大切です。とくに梅雨時期は、除湿機やサーキュレーターなどを使い、部屋の換気を心掛けましょう。

 

カーテンのカビを放置するとどうなる?

カーテンに発生したカビを放置すると、次のような深刻な問題が生じる可能性があります。

 

カビ放置に伴う問題 詳細
健康に悪影響を及ぼす カビは胞子を飛ばすことで増殖する。その胞子が体内に入り込んだり、付着したりすると、喘息・皮膚炎などのアレルギー症状が引き起こされることがある。
カビの拡散 発生したカビが大量に胞子を飛ばし、カーテンだけでなく壁・天井などさまざまな場所に繁殖する。

 

カビは自然に消失することはなく、むしろ胞子を飛ばし続けることでどんどん増えていく厄介な菌です。カビに気づいたらできるだけ早く除去を行い、健康を維持するためにも対処しましょう。

 

カーテンのカビ取りを行う前に確認する2つのポイント

 

カーテンのカビを除去する前に、次の2つのポイントを確認することが大切です。

 

  1. 洗濯表示
  2. 漂白剤の選び方

 

カーテンを長く愛用するためにも、適切な方法でカビ取りを行いましょう。

 

1.洗濯表示

カーテンに付いている洗濯表示から、可能な洗濯方法を確認してください。なかには、洗濯機で洗えない製品や手洗いのみ可能という製品があります。洗濯表示以外の方法で洗うと繊維を傷めたりカーテンが破れたりするため、洗濯表示を守ってカビ取りを行いましょう。

さらにカビ取りでは、洗濯方法のほか漂白剤が使用可能かをチェックすることも重要です。漂白剤使用不可のカーテンに漂白剤を使用すると、色落ち・変色・痛みの原因になります。

 

液温を40℃限度とし 、手洗いで洗える 液温を40℃限度とし、洗濯機で洗濯が可能
液温を40℃限度とし、洗濯機で弱く洗濯が可能 石油系溶剤でドライクリーニングが可能
漂白剤の使用可能 塩素系や酸素系の漂白剤は使用できない
酸素系漂白剤は使用可能だが、塩素系漂白剤は使用禁止 水洗い不可のため、洗濯はできない

関連記事:カーテンはフックを外さなくても洗濯できる?その方法を詳しく解説!

 

2.漂白剤の選び方

カビ取りには、一般的に漂白剤を使用します。この漂白剤は「酸素系」と「塩素系」の2つに分けられ、カーテンの生地によって使用できる種類が異なるため、必ず事前に洗濯表示を確認しましょう。各種類の特徴は次の通りです。

 

漂白剤の種類 特徴
酸素系
  • 比較的安全性が高く、生地へのダメージは少ない
  • 色柄物など、多くの生地に使用可能
  • 漂白力は塩素系に劣る
  • 塩素のツンとした特有のにおいがない
塩素系
  • 漂白力が強く、ガンコなカビにも効果的
  • 即効性がある
  • 色落ちや生地を傷める恐れがある
  • 使用できる生地が少ない

 

酸素系漂白剤は自然由来であり、高い安全性を持って使用できます。一方、塩素系漂白剤は漂白力が強い分、色落ちのリスクがあり、取り扱いには注意が必要です。

 

基本的には、酸素系漂白剤を使用したカビ取りが推奨されます。塩素系漂白剤を使用する場合は、カーテンの目立たない部分に少量をつけて色落ちをチェックしましょう。塩素系漂白剤には高いリスクがあるため、使用には十分気をつけてください。

 

カーテンにおけるカビ取りの方法

 

カーテンのカビ取りには次の4つの方法があります。

 

  • 手洗い
  • 洗剤・酸素漂白剤を使用
  • 重曹を使用
  • 塩素系漂白剤を使用

 

各方法のポイントや注意点、手順を詳しくご紹介します。また各方法の共通事項として、ゴム手袋などを装着した手荒れ対策は必須です。とくに漂白剤の使用時には直接触れないように気をつけましょう。

 

手洗いの場合

発生しているカビが限定的な場合は、生地を傷めにくい手洗いがおすすめです。カーテンを擦り合わせるよりも、歯ブラシを使用するとカーテン生地を傷めにくく、効果的にカビを除去できます。

【手順】

  1. 表面に発生しているカビを歯ブラシでトントンと優しくたたいて落とす
  2. カビが発生している表面にタオルをかぶせ、中性洗剤をつけた新しい歯ブラシで裏面から軽くたたく

 

カビをタオルに移す感覚で、優しくたたくことがポイントです。またカビが発生している外側から内側に向けてたたくようにすると、ほかの部分にカビが移ることを防げます。

 

洗剤・酸素漂白剤を使用

洗剤に酵素系漂白剤を使用すると、カビ取りに高い効果が期待できます。「つけ置き洗い」なので、手洗いよりも簡単に行えるでしょう。

【手順】

  1. バケツや洗面器に30~40度のお湯を入れ、酵素系漂白剤を溶かす
  2. カーテンを30分ほどつけ置きし、カビが気になる部分は、歯ブラシで軽く擦ったり優しく手で揉み洗いしたりする
  3. カーテンを大きめの洗濯ネットに入れて、洗濯機の「ドライコース」「手洗いコース」など弱く洗濯できるコースで洗う
  4. カーテンを洗濯機で30秒ほど脱水する
  5. カーテンをカーテンレールに設置して、吊り干しする

 

カーテンは30分以上つけておくと、カビが広がる恐れがあります。また脱水時間は長すぎると生地が傷むため、30秒ほどが理想です。

 

重曹を使用

重曹の使用は、カビ取りには大きな効果が見込めません。しかし消臭効果が期待できるため、洗濯洗剤との併用を前提とした使用がおすすめです。

【手順】

  1. バケツや洗面器に30~40度のお湯を入れ、重曹を溶かす
  2. カーテンを30分ほどつけ置きし、カビが気になる部分は、歯ブラシで軽く擦ったり優しく手で揉み洗いしたりする
  3. カーテンを大きめの洗濯ネットに入れて、洗濯機の「ドライコース」「手洗いコース」など弱く洗濯できるコースで洗う
  4. カーテンを洗濯機で30秒ほど脱水する
  5. カーテンをカーテンレールに設置して、吊り干しする

 

基本的に酸素系漂白剤の方法と同様です。重曹も30分以上つけたまま放置すると、カビがカーテン全体に広がる恐れがあります。脱水時間も30秒程度にして、生地の型崩れやしわを軽減させましょう。

 

塩素系漂白剤を使用

「手洗い」「酸素系漂白剤」「重曹」の3つの方法を試しても落ちないカビには、塩素系漂白剤を使うと効果的なことがあります。しかし、前述したように色落ち・生地の傷みの原因になるため、色柄物や繊細な生地のカーテンには向きません。塩素系漂白剤を使用するときは、カーテンの洗濯表示を確認し、白色や無地のカーテンのみへの使用がおすすめです。

【手順】

  1. バケツや洗面器に30~40度のお湯を入れ、塩素系漂白剤を入れる
  2. カーテン全体につける前に、目立たない部分で色落ちしないかチェックする
  3. カーテンを30分ほどつけ置きし、カビが気になる部分は、歯ブラシで軽く擦ったり優しく手で揉み洗いしたりする
  4. カーテンを大きめの洗濯ネットに入れて、洗濯機の「ドライコース」「手洗いコース」など弱く洗濯できるコースで洗う
  5. カーテンを洗濯機で30秒ほど脱水する
  6. カーテンをカーテンレールに設置して、吊り干しする

 

塩素系漂白剤は強い臭いを放つため、使用時は十分な換気に注意を払う必要があります。作業中は窓を開けるなど、室内の空気を常に入れ替えるようにしましょう。

 

カビが落ちにくい場合はクリーニングへ

 

4つのカビ取り方法を試しても落ちない場合は、クリーニング店に依頼することをおすすめします。クリーニング店では、カーテンの素材や状態に応じて、効果的にカビを除去することが可能です。

 

また、色落ちや生地を傷める恐れがある場合や、洗濯表示に「水洗い不可」と記載されている場合も、クリーニング店の利用を検討しましょう。ただし、カーテンの生地の種類や大きさによっては高額になるケースもあるため、カーテンを一新することも1つの選択肢です。

 

カーテンのカビを予防する方法とは?

 

どのような方法であっても、カーテンのカビを除去するには手間と時間がかかります。そのためカーテンの適切なカビ対策をとることがなにより大切です。

 

ここでは、カーテンのカビ予防方法を5つご紹介します。

 

結露対策を徹底する

窓の結露はカーテンのカビ発生の主な原因です。そのため、結露を防ぐことがカビ予防に高い効果を発揮します。結露を防ぐために、次の方法を実践しましょう。

 

  • 結露を発見したら、下から上へ拭き取る
  • 結露防止シートや吸水テープなどのアイテムを活用する
  • 窓辺の断熱性能を上げる

 

結露を完全に防ぐことは、高い断熱性能を誇る住宅でも難しい課題です。結露を見つけたらすぐに拭き取ったり、可能な限り発生を抑えたりすることが具体策となります。

 

窓辺の断熱性能向上は、ペアガラスやトリプルガラスの採用、また窓サッシをアルミから樹脂製に変更するだけでも効果が期待できます。高額なリフォームになりますが、住環境の快適性もアップするため、長期的な観点からもおすすめの方法です。

 

定期的な換気で湿度管理

定期的に換気を行うことで、室内の湿度を適切に保つことはカビ予防でも高い効果を発揮します。晴天時には窓を開放し、新鮮な空気を取り入れましょう。積極的な換気により、室内の湿った空気を外に逃がせます。

 

雨天や湿度の高い日には、除湿機の使用もおすすめです。除湿機は空気中の過剰な湿気を取り除き、結露の発生やカビの繁殖を抑えられます。

 

カビは湿度が60%以上を超える と繁殖しやすくなるため、40~60%を目安に適切な湿度管理を心がけましょう。

 

カーテンを定期的に洗濯する

カビの発生原因には、ほこりや皮脂、汚れが含まれます。そのため、洗濯可能なカーテンは定期的に洗濯して、清潔な状態を保ちましょう。理想的な頻度は半年に一度、または季節の変わり目に洗濯することです。梅雨や冬に入る前の時期に洗えば、カーテンの乾燥時間も短く済み、生乾きになる心配もありません。

 

洗濯不可のカーテンは、定期的なブラッシングで清潔を保つことができます。カーテンのヒダや裾など、汚れがたまりやすい部分は特に丁寧に清掃しましょう。

 

カビの栄養源を定期的に取り除くことで、発生を抑えることが可能です。また、清潔なカーテンは見た目も美しく、室内の空気もきれいに保てるため、長期的なカビ予防につながります。

 

窓まわりを清潔に保つ

カーテン本体だけでなく、窓まわりを清潔に保つこともカビ予防において重要です。結露が発生しやすい窓枠やサッシを中心に、ほこりや汚れを取り除いてきれいにしましょう。この部分が不衛生であると、カビはすぐに発生してしまいます。

 

また、網戸の汚れも定期的に落とすことで、窓まわりの清潔な状態を維持できます。網戸は外からの汚れや花粉をキャッチするため、窓枠やサッシとともに2ヶ月に1度のペースで清掃するのが理想的です。

 

窓まわりを衛生的に保つことでカビの栄養源を断つことができ、発生のリスクを大幅に減らせるでしょう。

 

機能性カーテンを設置する

遮熱や遮光、防炎、抗菌機能を持つカーテンは、一般的に「機能性カーテン」と呼ばれています。このうち、抗菌機能を備えたカーテンはカビの発生を抑制する効果が期待できます。特に湿気がたまりやすい部屋には、こういった機能性カーテンの設置が適切です。

 

また、通気性や吸湿性に優れた素材のカーテンは、湿気を効果的に逃がすため、カビが発生しにくいメリットがあります。

 

カーテン自体の機能性や素材にフォーカスしたカビ対策も効果的ですので、買い替えを検討する際はぜひ取り入れてみてください。

 

カーテンのカビ取りに関するよくある質問

 

カーテンのカビ取りにはさまざまな疑問が生じるもの。そのなかでもよくある質問にお答えします。

 

質問1:カビが再発生することはありますか?

カビは何度でも発生するため、適切なカビ対策を講じることが重要です。窓まわりやカーテンを清潔に保ち、結露対策を徹底的に行いましょう。また、室内に湿気がこもることもカビの繁殖につながるため、定期的な換気が欠かせません。

 

カビの発生をさらに抑えたい場合は、抗菌機能を備えた機能性カーテンを取り入れることが効果的です。総合的にカビ対策を行うことで、再発生を抑制できるでしょう。

 

質問2:コインランドリーでカーテンのカビは取れますか?

カーテンが大きく、自宅の洗濯機で洗えない場合は、コインランドリーを利用することも一つの方法です。コインランドリーで使用できる洗濯機は、できれば自分で洗剤を入れるタイプがおすすめです。好みの臭いでなかったり、生地の傷みが生じたりする恐れがあるため、自動注入タイプ以外を選びましょう。

 

また、乾燥機を使うとカーテン生地にしわが入り、縮むことがあります。濡れたまま持ち帰ることになりますが、乾燥機の使用は控えてください。洗濯表示を確認し、適切なコースを選んだうえでコインランドリーを使用しましょう。

 

窓まわりアイテムをお探しならトーソー

カビ対策として、カーテン以外の窓まわりアイテムを選ぶ方法もあります。トーソーでは、ロールスクリーンやブラインド、調光ロールスクリーンといった多種多様な窓まわりアイテムを取り扱っており、それぞれカビ対策に有効な機能を備えています。

 

カビが発生しにくい素材、通気性のよさ、窓に接触しにくい構造など各特徴から、部屋の環境や好みに合わせて窓まわりアイテムをお選びください。

 

トーソー株式会社|カーテンレール・ブラインド 窓まわり製品の総合メーカー

 

まとめ

カーテンのカビ対策は、日常的なケアと適切な対策が重要です。結露対策、定期的な換気、カーテンの洗濯、窓まわりの清掃を心がけましょう。また、機能性カーテンの使用も効果的です。カビが発生した場合は、カーテンの洗濯表示に従って適切な方法で除去し、再発を防ぐことが大切です。

 

カビが広範囲にわたる・侵食しているなど、深刻な場合はクリーニング店の利用も検討してください。快適で清潔な室内環境のために、カビ対策を継続的に実践していきましょう。

WRITER 編集者情報

Madoかけ 編集部

「Madoかけ」はカーテンレール・ブラインドメーカーのトーソーが運営するメディアです。
窓まわり製品を中心にインテリアに関する情報を発信します。

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